ジョジョの奇妙な冒険の原作コミックを初めて読んだ感想は、大人になった今でもはっきりと覚えています。
細部までこだわり抜いた気持ち悪い絵、不気味でおどろおどろしい演出・・・こんな漫画は二度と読まないと心に決めました。
それが何故読むようになったのか、ここまで愛おしい作品になったのか、奇妙な話ですがハッキリとは思い出せません。
通っていた小学校のクラスで流行っていたからなのか、独特の絵や演出がクセになったのか、或いはその全てなのでしょうか。
いずれにしても1つ分かるのは今の自分を形成するに当たって欠かすことのできない作品であるという事実だけです。
さて、そんなジョジョですが、私が当時ジャンプで読んでいたのが今回アニメ化となったストーンオーシャンなのです。
前作である第五部:黄金の風でジョジョの虜になっていた私にとってストーンオーシャンは待望の続編であり、大人になってアニメ化の報せを聞いた時は子供の様に胸が高鳴りました。
第一部:ファントムブラッドより続く誇り高きジョースターの血筋の物語、その一つ終着点である今作の1話は期待通り、いやそれ以上に心が震え、燃え尽きるほど熱いものでした。
あらすじ
恋人とのドライブの最中に起きた不慮の人身事故の罪に問われ、起訴された空条徐倫。
15年の求刑に対して無実を訴えるが、恋人と弁護士に嵌められる形で裏切られ「州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所」に収容される。
自身の青春が15年も奪われるという事実に絶望する彼女だったが、父から贈られたペンダントに振れたことで「力」に目覚める。
これは、一人の女性がその身に流れる血の宿命に終止符を打ち、自由へと至る物語。
登場人物
空条徐倫
本作の主人公で 実の父に第三部の主人公であった空条承太郎を持つ。
左肩に星型の痣を持つ、ジョースターの血を引くタフな精神としなやかな力強さを持つ女性…なのだが、第一話ではまだその片鱗こそあれ、基本的には世間知らずな10代の女の子な一面の方が強い。
言い換えれば、原作コミックを読んだ後にこの第一話を見れば、「そういえば徐倫にもこんな頃があったんだな」と懐かしくなること請け合いである。
感想
長年待ち焦がれた第一話のアニメ化ということもあり、終始楽しく見ることができました。
放送倫理が厳しくなりつつある令和の日本では、徐倫が1人でアレをするシーンや、マキシマムセキュリティッ!!なGDS刑務所入所時に行われるアレは飛ばされるのではと思いましたが、それも杞憂に終わり、改めてしっかりとアニメ化するんだなと感じました。
キャスト陣の総入れ替えについては前途しましたが、実際にアニメとなってキャラクターが動くと、全くと言えば噓になりますが、気になる様なこともありませんでした。
それどころかファイルーズさんの演じる徐倫は沢城さんに負けない程の魅力がありました。
特に1話では徐倫はタフな一面を見せつつもまだ子供の様な一面もある為、沢城さんの完成されたタフな女性の芝居よりも、ある意味ではファイルーズさんの方が「らしく」ある様に感じました。
スタンドの描写も前作までのシリーズ同様細部にまで拘られたモノに仕上がっており、ストーン・フリーが発現されるシーンでは(基本的にまだ糸だけですが)スピード感が非常に感じられる演出が施されており、刑務所という閉鎖空間での戦闘がこのスピードで今後行われるのかと思うと否が応でも期待せずにはいられません。
キャスト&スタッフ
キャスト
- 空条徐倫 ファイルーズあい
- エルメェス・コステロ 田村睦心
- フー・ファイターズ 伊瀬茉莉也
- エンポリオ・アルニーニョ 種﨑敦美
- ウェザー・リポート 梅原裕一郎
- ナルシソ・アナスイ 浪川大輔
- 空条承太郎 小野大輔
- エンリコ・プッチ 関智一
スタッフ
- 原作荒木飛呂彦
(集英社ジャンプ コミックス刊) - 総監督鈴木健一
- 監督加藤敏幸
- シリーズ構成小林靖子
- キャラクターデザイン筱雅律
- サブキャラクターデザイン土屋圭
- スタンドデザイン石本峻一
- プロップデザイン新妻大輔、宝谷幸稔
- 美術設定滝れーき、長澤順子、渡邊由里子
- 美術監督渡辺佳人
スタッフ陣は錚々たる面々です。ジョジョアニメにおいて欠かせない小林靖子さんが今作も脚本家として参加している安心感は勿論、第三部:スターダストクルセイダースにてシリーズディレクターを務めていた鈴木健一氏が総監督として参加しているのは、第三部と繋がりが非常に強い今作での明確な強みと感じます。
キャストに関しては先んじて発売された作品やウルトラジャンプのテレビCMのキャスト陣からはガラリと変わり、新鮮味溢れるものとなっています。
特に主人公の徐倫を沢城みゆきさんからファイルーズあいさんへの変更は、ネットは勿論、私自身も非常に驚きました。それ程に沢城さんの徐倫はタフで力強かったのです。
まとめ
まだ1話ということで基本的なストーリー、キャラクターの紹介や能力のチラ見せ程度に収まっていましたが、それでも十分に面白味を感じるものであり、2話以降が待ち遠しくなってしまいまいました。
ジョジョアニメシリーズといえば高いクオリティのOPアニメが定番の為、2話でそれが見られるのかという期待もあります。
個人的に一番推したいシーンは恋人とのドライブ中の徐倫です。中盤以降のあまりにもタフ、いやタフすぎる徐倫を見た後でのこの第一話の「どこにでもいそうな女の子感」はある意味で強烈です。
改めて彼女が以下にして自由を手にするのか、その行く末を見守りたいと思います。
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